サイレント
マニピュレーション

silent manipulation

肩が痛く上がらなくなったら非観血的肩関節授動術(サイレントマニピュレーション)

最近、肩関節授動術の治療法を知って、当院を受診される方が増えてきています。この治療法が患者様の悩みや苦しみを早期に解決出来る良い治療法であるため、私も積極的に勧めている所です。
 いわゆる五十肩(=四十肩)は肩関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に炎症が起きることが主な原因と考えられるため、一般的には正しいリハビリをしっかりやっていけば治る疾患と考えられています。しかし、中には肩関節内の炎症が強く、長く続いてしまい肩関節が徐々に動きが悪くなり、固まってきてしまうこ拘縮になることがあります。さらに拘縮が進行してしまうと 肩関節の動きをよくする滑液包や関節を包む袋関節包が癒着してしまい、凍結肩になってしまいます。凍結肩になってしまうとリハビリを行っても疼痛が先行してしまい、なかなかリハビリの効果が出づらくなってしまい数年経ってもなかなか改善しづらいと言われています。よって従来では凍結肩に対して全身麻酔での手術(肩関節包切離術)が一般的でしたが、最近新しい治療方法が行われるようになってきました。それがサイレントマニピュレーションです。
 サイレントマニピュレーションとは「非観血的肩関節授動術」のことです。『観血的』とはメスなどで皮膚を切るなどの出血を伴う処置のことであり、『非観血的』なのでそういった外科的処置はしませんという意味です。また『授動術』とは動かなくなったものを動きやすくすることを言います。簡単に言うと手術をせずに固まった肩の可動域を良くする処置ということです。外来で出来るため入院がいりません。

サイレントマニピュレーションは凍結肩で硬くなってしまった肩関節を麻酔によって痛みが軽減している状態を作り、医師がゆっくりと肩関節の可動域を広げる方法です。以下その手順と治療の流れです。

頸椎神経根ブロック注射

①頸椎神経根ブロック注射

エコーを行いながら頸部の第5.6(7)の神経根に対して頸部神経根ブロック注射の麻酔を行い、硬まった肩を動かしても痛みが出づらい状態を作ります。神経根ブロック注射によって約10~12時間程度腕が動かせなくなります。

サイレントマニピュレーション

②サイレントマニピュレーション

麻酔が効いたのを確認し、固くなってしまった肩関節を少しずつ動かしていき、ブチブチと音がすることがありますが、麻酔がかかっているため痛みはありません。施行後は三角巾にて腕を吊った状態で帰宅してもらいます。

翌日よりリハビリテーション施行

③翌日よりリハビリテーション施行

サイレントマニピュレーション処置後は、リハビリがとても重要であり、(特に処置後1か月)当院では理学療法士による運動器リハビリを行っています。それによって更に関節可動域の改善と再拘縮予防を行います。
治療費は医療保険が適応されて3割負担の方で約6000円程度(初・再診料、リハビリテーション料は別途)です。

       

術前術後の比較動画

       
               
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