特に野球肘や野球肩の治療を積極的に行っております。

野球

野球肩や野球肘は骨折やアキレス腱断裂などの突発的なケガと異なり、同じ運動動作の繰り返しや使いすぎが主な原因です。しかし事前の予防次第で防ぐことが可能ですし、適切な治療を行わないと難治性になることも少なくありません。
野球の投球動作は全身運動です。地面から得た力を足から骨盤、体幹へつなげ、次いで肩甲骨、そして肩、肘へ回転運動を伴いながら最後は手指からボールに力を伝達していきます。このように全身を使って効率の良い投球が出来ていれば問題ないのですが、いずれかの部位になんらかの原因で機能が低下していれば、他の部位への負担が大きくなり、過負荷の状態となってしまいます。こうした状態で練習を続けば、上手になるどころか負担を受けた部位は徐々に悲鳴をあげ、野球肩・野球肘となってしまいます。その原因として最も多いのが筋肉や関節の柔軟性の低下です。その他にも肩甲骨の位置の乱れ、背骨から骨盤までの不良姿勢、下半身や肩周りの筋力不足、関節の緩み、不良な投球フォームなどがあります。
当院の野球肩や野球肘の治療としてはまずは肩と肘の柔軟性をあげることは勿論ですが、体幹部や股関節などの柔軟性もチェックしていきそちらも治療していきます。そして症状が軽減した後も選手が自分自身で再発予防のセルフケアのできる選手を目指し、自宅での各自のストレッチの指導も行います。


特に腰椎分離症の治療を積極的に行っております。

腰椎分離症の発症は、ほとんどが発育期のスポーツ選手で、成人してからやスポーツを行わない人の発症は極めて稀です。その理由は発育期の同じ動きの反復に由来する「過労性障害」が主な原因だからです。運動を行う選手で2週間以上継続する腰痛の半数以上は腰椎分離症になっていると考えられています。

腰椎分離症(終末期)

腰椎分離症の病態は椎弓と椎体の間の椎間関節突起間部が疲労骨折を来し、椎弓と椎体が分離してしまう疾患です。腰椎分離症は初期、進行期、終末期に分類され、早期発見と早期治療を開始することがとても重要です。なぜなら、初期の段階で治療を実施すれば、保存療法によって疲労骨折部が癒合する確率が高いのですが、分離症が進行し終末期になってしまうと、癒合が不可能になるからです。

かつては腰椎分離症の治療としては軟性装具を使用するのが主流で、軟性装具での腰椎分離症初期の骨癒合率は約85%でした。しかし腰椎分離症の治療は疲労骨折部の制動が治療の決め手となるので、腰椎の伸展運動と回旋運動を共にしっかり制限できる硬性装具は骨癒合率が94%まで上昇します。よって当院では①初期の場合は練習を休止すること、②硬性装具使用、③リハビリを行うことがスポーツ選手の早期復帰・早期治癒かつ再発予防に最も適していると考えております。

しかしここで問題となるのが発育期の子供たちの多くは制動性の高い硬性装具を嫌がります。そして、日常生活で自ら外してしまうケースが見られ、その結果骨癒合率が初期でも約70%まで下がってしまいます。進行期では34%となります。また片側なのか両側なのか、年齢によっても骨癒合の期間と確率は変わってきます。

コルセット

そのようなことから当院では初期や進行期の場合はどのようなコルセットを作成するかは、2~6か月装着する選手本人と相談して決定しております。また、中学3年や高校3年生の選手などは、最後の大会を控えており、スポーツを2~6か月休止できないことも多く、骨癒合よりも半硬性装具または軟性装具を使用して練習を継続しながら疼痛が出づらい状態を目指したり、引退してから治療を開始することもあります。

しかし小学生の場合は脊椎の骨自体が幼若で腰椎分離症がさらに将来腰椎分離すべり症に移行してしまうことが高いため、骨癒合を目指した硬性装具での保存治療を強く勧めています。一方、終末期の場合は骨癒合が困難なため、リハビリやコルセットでの疼痛コントロールをしながら早期練習復帰が可能となります。


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